へこたれない

 
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11
 
 湿つた重い鈍い音が耳朶を打つ。
 同時、首が横に跳ね飛ばされたかのような衝撃と、絶対的な喪失感をに襲われた。
 それはまつたくの不意打ちであつた。

「ここまで来ておきながら……!! 殿、戦線離脱、お許しをぉ!!」

「●●●●――!!」

 千を超える、黒き雲霞の如き大軍勢。
 徒歩の者、軍馬にまたがりし者、農民としか見えぬ者、覇気を備える剛の者。
 雑多ななりをした者どもがひしえめきあつて相争う狭い狭い戦場で、血風まとい猛進していた小集団の一騎が崩れ落ちる。
 その姿は直ぐに塵芥に飲まれ、主か朋輩と思しき騎手が叫んだ名も戦場の騒音の中に掻き消える。
 それまで限られた勝者の側に居た者が、名も無き屍に加えられる。

 ここまで来ておきながら。
 悔し涙で滲む視界はもう戻らない。

 斃した敵の数は知れず。
 周囲に敵の姿は見えず。
 もはや求むるものにむけて只走るのみというところまで来た。
 残る敵はただの一割。
 残る戦は多くて一合。
 されどその一割は、彼らにとつて致命的なまでに頑強で。
 最後のその一合に、たどり着く前に功名頭が射斃された。

 斃した雑兵どもの数のみ士気の寄る辺としてきた成り上がり。
 勝利はすぐ近くにまで迫れりと歓喜したのも刹那。
 夢見た強者の集う戦場は遠くに霞み、消え去つた。

 残る駒は瀕死のものがひとつきり。
 馬さえ得られぬ足軽どもさえ一人か二人。

 茫、と。
 彼らは進軍の足を止め、立ち尽くしてしまつた。

「――――二次面接で落とされたよプゲラ」
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